The Computer Chronicles というアメリカの古いテレビ番組が面白い

タイトルのままなんだけど、The Computer Chronicles というアメリカの公共放送(PBS)で放送されていた番組が面白い。番組事態は 1983年から2002年まで放送されていた。つまり 20年以上前に終了済みである。現在は Internet Archive 経由で YouTube の専用チャンネルにアップロードされており、ほぼ全編が見られる。 www.youtube.com 80年代前半といえば、PC はあったが MS-DOS の初期リリースがされたばかり(1981年)で実用的な用途としても PC が使えるようになっていった時期でもある。

Intel 386 についての特集回では Unix が動くことをデモするために複数のコンソールからログインしてみたり。PC Unix はその後の LinuxFreeBSD が出るまであまり普及しなかったという認識なのだけど、結構期待されていたのだな。Intel の担当者が最後に AI についての期待を語っているのは現代と変わりがない。実際にその後の影響を考えると宣伝は過大ではなかった。 www.youtube.com

93年には早くもインターネットが取り上げられており、日本でのメディア露出よりも1年ぐらい早いのではないか。さすがにこの時期のアプリケーションは Gopher とかなので時代を感じる。 www.youtube.com

93年には Digital Photography も特集していた。「今後はデジタル写真が重要になる」と熱く語られていたが、予想よりは遅かったかもしれないが実際にそうなった。直接撮れるデジタルカメラはかなり希少で画質も十分ではなかったので、Photo CD などが使われていたようだ。QV-10 よりも前の時代だったしね。PhotoShop で画像を編集する様子などを見ていると30年前からさほど変わっていないなと感じる。 www.youtube.com

90年代後半はもちろん Windows が普及していった時代だが、Windows 98 の特集回で同時に Linus のインタビューを行っているのは先見の明がある。98年にはすでに IBM とかが OSS にベットしていたので、既に勢いはあったがまさか世界中の携帯の半分以上に搭載されるとは思っていなかっただろう。あと Linus がまだ若い www.youtube.com

84年に前回(あるいは前々回)の AI ブームも取り上げている。「40年後ではデータ量と計算量でぶん殴って解決したよ、そんでグラフィックチップ屋さんが大儲けしているよ」と冷やかしたいところだが、スタジオゲストに John McCarthy が出てくるあたりが侮れない。 www.youtube.com

MC は Stewart Cheifet というジャーナリストの方が行っている。Co-host として専門家の Gary Kildall も居たもののスタジオでのやりとりを見ていると本人も技術を理解して質問していたと思う。現代よりも専門性が高く、動きも激しかった時代に長きに渡って番組を続けられたものだ。 日本でもコンピュータをテーマにしたテレビ番組がいくつも有ったのは知っているが、このような形でアーカイブされているのだろうか。