AIはコンピュータ業界にとってどれぐらいの変化か

AIはインターネットと同じぐらいのインパクトがあると思っている。

インターネットの登場前後でコンピュータはその立ち位置を大きく変えた。スマートフォンなどがあって初めて成立する形態のコンピュータだし、PCのソフトウェアでもインターネットの影響を受けていないソフトウェアを探すのが難しい。影響の程度はアップデートをネット配信するだけから、インターネットへの接続が前提の薄いクライアントソフトから様々である。ただ、コンピュータの使い方と形態を決定的に変えた。AIも同程度の変化をもたらすとしたら、コンピュータの使い方を決定的に変化させる予感がある。

インターネットの一般への普及が90年代半ばぐらいから開始されたとすれば、30年ぶりぐらいの大きな変化である。現代のインターネットの普及度合いや使い方は普及当初に予想されていた内容とはかなり乖離があるように思う。当時からウェブブラウザが主力であったけど、今は廃れたアプリケーション(NetNewsやらGopher、Archie、Castanetなどなど)による挑戦もあった。動画配信がいずれ実用化するという予想はあったものの、ユニキャストで動画をばら撒くことがこんなに一般化するとは思わなかったし技術に詳しい人ほど悲観論を唱えていた。技術的課題は普及することのパワーで解決してしまうものである。AIも様々なアプリケーションがチャレンジしているが、実際にはその少数のみが生き残って成長していくのだろう。今は普及初期特有の無秩序はいずれ収まり、洗練されていくはずだ。残った枝は力強く技術的課題を解決していく、20年ほど前に見た光景である。